藤女子大学
人間生活学部 人間生活学科
木脇 奈智子 教授
フィンランド・ネウボラにみる子育て支援から
8月20日の「地域子育て支援」講義の1コマ目にゲスト講師として藤女子大学人間生活学部の木脇 奈智子教授に講義をしてもらいました。
フィンランドの人たちは日本の面積と変わらない面積に人口が549万人と非常に広い土地で暮らしている。また、緯度66.6度以上で白夜や太陽が昇らないときもある生活をおくっている。この国は元ソ連の占領下で独立のための戦争で負けて賠償金返済のために男女ともに働く必要性があり共働きが多く、労働環境として男女平等意識が根付いている。
国の資源が乏しく現在はIT等の電子産業が盛んである。
1944年にすべての自治体が妊産婦と乳幼児を統合した「ネウボラ」を設置した。ネウボラの理念は、子育てする家庭を社会的に包摂していくシステムとして子どもの誕生前から7歳まで一人のネウボラナースが継続支援していくシステムである。(切れ目のない家族支援)
日本とフィンランドの子育て支援の大きな違いは、子どもは親の子どもではなく社会の子どもであるという考えがあるから、例えまだ子どもがいない若者も未来の社会の一員を育てるという意味で税金を納めている。ネウボラナースは研修を義務付けられており、母親のみ支援ではなく家族全体を視野に入れた支援をしている。学生の関心は高く質問もたくさんあった。日本の子育ての今後を考える上で有意義な講話でした。